Kyoto tsu

京都通

  • 2008/4/4

第74回 六角堂『鳩が幸福を運んでくれる寺』

聖徳太子さまが建てられたそうどす

京都市の中心、中京区に位置する六角堂(ろっかくどう)は、「六角さん」の愛称で親しまれています。
正式な名称は紫雲山頂法寺(しうんざんちょうほうじ)といい、聖徳太子が創建されたそうです。

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聖徳太子は夢の中で、観音様から「この地にとどまり、苦しみ困っている人々を救いたい」とお告げを受けました。
そして観音様のためにお堂を建てようと材木を探していると、紫の雲がかかった立派な大木があったのです。
その樹は根元が六つにわかれており、それぞれを柱に用いることで自ずと六角形のお堂が創られたのだという、不思議なエピソードが残されています。

本尊は、聖徳太子の護持仏といわれる如意輪観世音菩薩像。
境内には、聖徳太子を祀った太子堂もあり、太子2歳時の南無仏像が安置されています。
太子堂は池に浮かぶように建てられ、そこは太子沐浴の跡地ともいわれているそうです。

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また、六角堂はいけばな発祥の地です。池のほとりに小野妹子を始祖とする寺坊があったことから「池坊」と呼ばれ、のちにいけばなが成立しました。
現在は池で白鳥が優雅に泳ぐ光景が見られ、心癒されます。

いけばなの歴史も勉強できるんどす

六角堂は御所の近くという立地にあることから、繁栄の地、京の街の中心と言われてきました。
その証拠として境内には「へそ石」が置かれています。
たくさんの童地蔵、羅漢像など、可愛らしいお地蔵さんたちも並んでいて、心が和むようです。
樹々の間にはフクロウの姿が見えます。
でも実は本物ではなく、フクロウの動物像が置かれていたのでした。
境内で動物像を見つけるのも楽しみのひとつですね。

寺には、近代的な建物が併設され、そこには「いけばな資料館」があります。
いけばなについて知識を深めたい人やお花が好きな人は、ぜひ資料館を見学してみましょう。
古くは室町・安土桃山時代から近代までのいけばなに関する歴史資料が豊富です。
美しい花の絵が描かれた最古の花伝書、屏風、花器など一見の価値があります。

入場は無料で、見学には電話予約が必要です。見学希望者が1人からでも入場可能ですので、ゆっくりと歴史的資料や美術品が見られる贅沢な京都観光をすることが出来ます。

六角堂では、年に2回の大きな特別花展が行われています。
春には「池坊中央研修学院祭」を開催。今年は4月18~21日に行われます。
いけばなと触れられる、この良い機会に足を運んでみませんか。

ご利益がいっぱいやおへんか

本堂の右手にある柳には、結ばれたおみくじでいっぱいです。
平安時代、嵯峨天皇が後の皇后となる女性と、この柳の木の下で出会ったとされていることから、おみくじで柳の枝2本を結ぶと縁結びのご利益があるといわれています。

ひとつだけ願いごとをお願いすると叶うと言われている「一言願い地蔵」も人気者。
お札に願い事をひとつだけ書いて縄に結び、愛らしいお地蔵さんにお願いします。
大切な願い事がかなうように、くれぐれも2つ以上書かないように気をつけましょう。

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そして境内には、幸福を運ぶと言われている鳩がたくさん群れています。
福を呼ぶエピソードなどもあることから、縁結びや幸福を招くお守り、グッズも多数揃い、おみやげが充実しているのもこちらの魅力。

また、鳩は六角堂のシンボルでもあり、その鳩をモチーフにしたおみくじが話題です。
「幸福鳩みくじ」は、止まり木に止まっている鳩がおみくじを持っている可愛い形が特徴。
鳩の顔はひとつずつ人の手で絵付けをしているそうで、それぞれ少しずつ表情が違って味があります。
ちなみに、鳩みくじには凶は入っていないのでご安心ください。

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その他にも、守護石として守ってくれる水晶で作られた「水晶幸福の鳩御守」、縁結びのお洒落な携帯ストラップ、健脚のお守りなど、ご利益に合わせて多彩に用意されています。
鳩が幸福を運んでくれる寺、六角堂へ一度お参りしてみませんか。

取材協力 : 六角堂(紫雲山頂法寺)
〒604-8134 京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町
電話番号 : (075)221-2686

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