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京都通

  • 2016/7/16

第312回 京都鉄道博物館『鉄道の魅力満載!見て触って体験できる京都の新名所』

国内最大級の鉄道博物館なんどすえ

2016年4月29日にJR京都駅からほど近くの梅小路にグランドオープンし、今京都で最もアツいスポット「京都鉄道博物館」。
昨年閉館した「梅小路蒸気機関車館」と一体になる施設として、「見る、さわる、体験する」をテーマに開業しました。

まずエントランスホールで出迎えてくれるのは、淡いグリーンの制服に身を包んだスタッフたち。
制服は折り紙をモチーフにした、京都らしい和のデザインとなっています。
そして、駅のプラットホームをイメージした全長約100メートルの「プロムナード」では、貴重な車両がお出迎え。
日本最大の旅客用蒸気機関車、戦前に製造された皇室・貴賓客用寝台客車、丸い鼻先が愛らしい0系新幹線の第1号車などが連結した形で展示されています。
実際に走っていた貴重な車両が間近でじっくり眺められるとは、早くも胸が高鳴ります。

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続いて本館に入ると、すぐ目の前に飛び込んでくるのが3台の実物車両です。
時速300kmでの営業運転を実現した流線型フォルムの「500系新幹線」、寝台特急としても活躍した「581系電車」、国鉄を代表するボンネット型の「489系電車」。
その周りにも、国の重要文化財に指定される予定の国産初の量産型蒸気機関車をはじめ、JR西日本を代表する車両がズラリと並んでいて迫力満点です。
ちなみに、京都鉄道博物館には全部で53両の車両が収蔵されており、そのうち、8両の蒸気機関車は動態保存されているため、石炭と水を入れると動くのだとか。

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そのほか、車両の下から観察できる「かさ上げ展示」のコーナー、車両の屋根部分を間近に見ることができる「車両工場」など、整備士になった気分で普段は見られない車両の一面を見ることができます。
そして、実際の営業線とつながっている「引込線」を活用して、現役で運行している車両を臨時で展示しています。
これは日本の鉄道系博物館でもここだけの試みで、来館するたびに以前とは違った車両が見られるようになっています。

ほんまに運転してる気分が味わえるんやて

本館2階に上がると、吹き抜け部分から1階の展示車両が見下ろせるようになっており、また違う迫力が感じられます。
このフロアは体験型の展示が中心で、中でも巨大な「鉄道ジオラマ」が大きな見どころです。

実物車両の約80分の1スケールの鉄道模型を係員が手動で運転し、鉄道システムの一日の流れを生のアナウンスでお届けしているため、臨場感とともに温かみが感じられます。
蒸気機関車から新幹線、他社の私鉄など日本全国の様々な車両が京都の街を颯爽と駆け抜ける姿は、思わず時間を忘れて見入ってしまうほど。

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そして、運転士が実際に訓練で使用するものをもとにしたシミュレータを使って、本物の訓練さながらにお仕事体験ができるコーナーも大人気です。
ここでは運転士の制服・制帽を着用して運転することはもちろん、顔出しパネルで撮影することもできます。

また、鉄道の安全を守る役割を持つ「ATS(自動列車停止装置)」や「ATC(自動列車制御装置)」といったシステムを学べるほか、側面が透明になっている自動改札機は、切符を入れると内部の様子が目で追えるようになっており、その流れを見たいがために何度も通る人も。
行き先表示版を手動で操作してみたり、レトロな客車に乗って写真撮影したりと、体験型コーナーの充実ぶりはこの博物館の大きな特徴となっています。
阪急電車や京阪電車など関西の私鉄の歴史を紹介するほか、鉄道に関する映画や音楽を展示するなど、大人の興味を惹きつけるコーナーも盛りだくさん。

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さらに、窓から京都の風景や走行電車を眺めながら食事や休憩が楽しめるレストランもあります。
「ドクターイエローオムライス」や「線路チーズのミートソース」など、ここでしか味わえないオリジナルメニューも多数揃っているので、是非チェックしてみてください。

京都の風景も楽しんでおくれやす

本館3階の屋外展望デッキ「スカイテラス」は、花や緑に囲まれた憩いの空間であるとともに、目の前を駆け抜ける東海道新幹線や在来線、そして京都タワーや東寺の五重塔など京都の街並みが見渡せる抜群のビューポイントとなっています。

また、屋外には梅小路蒸気機関車館でも人気だった「SLスチーム号」があり、本物の蒸気機関車が牽引する客車に乗車することができます。
京都鉄道博物館の開業に合わせて新しい客車が導入され、京都らしい「聚楽ぶどう色」が採用された新しい客車は着席定員も以前の80席から208席に増えました。

また、本館2F連絡デッキからは、眼下に扇形車庫と蒸気機関車群を望むことができ、梅小路運転区内に新設された「SL第2検修庫」では、蒸気機関車の検査修繕作業の見学も可能です。

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そして、「トワイライトプラザ」では、戦後を代表する電気機関車や、2015年春に引退した寝台特急「トワイライトエクスプレス」などを展示しています。
食堂車では、「SL弁当」や「ウメテツランチBOX」などのオリジナル弁当が販売されており、車内で食べることもでき、列車で旅をしている気分が味わえます。

エントランス横の建物には「ミュージアムショップ」があり、鉄道ファン必携の限定グッズやお子様向けの商品がたくさん並んでいます。
ちなみにこの建物は明治37年に建設されたもので、JR二条駅の駅舎として使われていました。
現役時代は日本最古級の木造駅舎といわれており、平成8年には京都市指定有形文化財に指定されました。

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さまざまな角度から鉄道を感じることのできる京都鉄道博物館。オープン初日には約1万4300人が来場し、その後も連日にぎわっています。
すぐ隣には4年前にオープンした京都水族館があり、梅小路周辺はここ数年で大きく様変わりしました。
京都駅からJR線路沿いを歩くと、約10分で到着します。
是非、この夏は今話題のスポットを訪ねてみてはいかがでしょうか。

取材協力 : 京都鉄道博物館
〒600-8835 京都市下京区観喜寺町
電話番号 : (075)323-7334

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